残せるか、部活動【存続のアイデアと部活動の弱点】

前回に続いて部活動地域移行についての記事です。今回は存続させるためのアイデアと、今の部活動の弱点について書きます。

部活動を残す選択

現状のままでは部活動の存続は無理と断定できそうです。そんな世間の流れに抗うように、部活動を存続させるための3つのアイデアを考えました。そして今の部活動が抱える弱点についてもお伝えします。

何かしらのヒントになれればうれしいです。

減らして、置き換える

  1. 活動数:2+1,5=3,5
  2. 運営者:生徒
  3. 管理者:教員

❶活動数

まずは週の活動数を減らします。平日2回の練習と週末1,5回(1〜2回)にします。これは僕が推奨している、活動と休息が一日ごとに置き換わる、中学生の週間スケジュールです。なので部活動は平均で週3,5回(3〜4回)ということになります。

この活動数が少ないと言う教員も一定数います。しかし質を高めることができれば、活動数はあまり重要ではなくなります。

❷運営者

部活動の運営をすべて生徒に任せます。なので必然的に運営責任者は生徒になります。リーダーを中心に活動の具体的内容も生徒に決めてもらいます。

はじめのうちは戸惑いますが、1ヶ月もすれば運営の基盤は整ってくるはず。いろんな工夫が生まれ、部員同士の協力関係も構築されてくるでしょう。

リーダー会

月に一回でも2ヶ月に一回でもいいので、校内でリーダー会を開催して、部活動について様々な意見を持ちよる場をつくります。そこでは各部活動の問題点や運営の新しいアイデアがシェアされます。そうすれば課題解決へ向けた改善意識の高まりが期待できます。

❸管理者

教員は部活動の管理者に変わります。運営は生徒に任せているので、教員は生徒たちの決めごとが、ちゃんと運営されているかをチェックする監査役といったところでしょうか。

指導は行わず、必要に応じてアドバイスを送る程度にとどめます。

持ちまわりシステム

管理者といっても、毎回同じ部活動を管理する必要はありません。それよりもいろんな部活動を持ちまわるシステムをつくることを提案します。

そうすることで、生徒たちがどんな工夫をして、各部活動を運営しているのかを見ることができます。そして、そこから指導のアイデアやヒントを見つけ、現代っ子への理解の幅が広がるかもしれません。

シェアミーティング

管理者の立場で発見したことを、定期的に教員内でシェアするミーティングを行います。この教員側の定期的なミーティングはとても重要だと考えます。

それぞれの違った視点で見る部活動は、それぞれ違った発見があるはずです。その発見をシェアする場があれば、より良いサポートシステムの構築に繋がっていくでしょう。

週の対応回数は1,5回?

現行の部活動の対応は週に4〜5回といったところで、そのうち週末の拘束時間は長くなる傾向にあるようです。

その管理対応を校内の教員で当番制にすることが可能なのかは分かりませんが、もし可能となれば週の対応回数は、1教員あたり平均1,5回ぐらい、あるいはそれ以下に減らすことができそうです。

部活動の弱点

僕が考える部活動の弱点はBDK(部活大好き教員)です。

今の部活動は、BDKが求める部活動と本来の部活動があるべき姿との乖離が大きいと考えています。もしかしたらこのことが部活動地域移行のボトルネックになっているかもしれません。

これまでBDKは自分が管理する集団を、上へうえへと引き上げようとし過ぎて、やりたい教員とそうでない教員の温度差を広げてきたと思います。

またこの熱心さによって、部活動が学校活動の上位目標となり、活動日数を増加させ部活動本来の意義、目的が薄れてきたのではないでしょうか。

Point先日X(ツイッター)でBDK(好き員)という単語を知りました。使ってもいいワードか分かりませんが、便宜上使わせてもらいます。

BDKが活躍する新たな場所

ただ、BDKは貴重です。なぜなら生徒の中には一定数の割合で、専門的指導を希望している生徒が必ずいるからです。だからBDKの意欲を最大限に活かすことができる場所を、新たにつくることを提案します。

この新しい場所は、BDKが得意とする専門分野の経験や知識を活かす場所になります。そしてより高みを目指すBDKにとっては、次のステージを狙えるいい機会にもなるでしょう。この新しい場所は、BDKだけでなくより専門性を求める生徒にとっても有効な活動環境になるはずです。

この新しい場所の仕組みやアイデアにつての詳細は、次回の記事に書きますが、公金を使わないシンプルな会費制の仕組での運営が可能だと考えています。

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iMA

iMA

サッカーコーチ|1972.4.1|2022年10月iMA設立|2023年春Zero coachスタート

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