選手の成長に大きな影響を与える、モチベーションとパフォーマンス。このモチベーションとパフォーマンスのレベルを4象限グラフで4つのグループに分け、それぞれの特徴とコーチングの留意点を紹介します。
4つのグループ

それぞれの特徴
グループA:コーチも選手も目指したい場所。選手は自立した状態で安定感があります。また応用力を身につけていて、要求されたことを正確に実行できる状態です。
グループB:すごく変化するグループ。急激な成長を見せる選手も多いんですけど、不安定な要素がまだまだ多いです。急に元気がなくなったりすることもあり、その原因が見えない部分(家庭・恋愛・成績など)にあることもしばしば。
グループC:失敗への恐怖心から、行動が萎縮しがち。コーチの表情や言葉にすごく過敏です。また、コーチが予期しないタイミングでのドロップアウトも多いため、選手の様子に注意を払う必要があります。
グループD:モチベーションは高いけど、パフォーマンスレベルが低いので、とにかく疲弊しやすいのがこのグループの特徴です。気持ちはあるけど出来ないイライラが、モチベーション低下の原因を引き起こします。
パフォーマンス
パフォーマンスを上段と下段の二つに分けました。それぞれコーチが留意するポイントの紹介です。
パフォーマンスレベルA / B

パフォーマンスは高いけど、要求は増やさないほうがいいです。ある程度自分で判断できる状態なので、コーチの欲が仇となり返ってくることも。
パフォーマンスレベルC /D

現象ばかりを追い、突き放してしまう態度や言葉は禁物です。結果より行動を評価し、選手に寄り添い、我慢することが重要だと考えます。

モチベーション
昨日の様子とは180度ちがう表情を見せる育成年代。日々変わる選手の様子に惑わされず、コーチの安定的な態度が選手への信頼と成長につながります。
モチベーションレベルA / D

なにもしなくても基本的に元気なグループ。モチベーションが高いので、やり過ぎた行動、言動を見せることがあります。落ち込むことの多い、B/C領域の選手を見下すことが原因で、集団のバランスを崩してしまうことがよくあります。
なので、コーチは選手と近づき過ぎず離れ過ぎず、このような問題が起こった時、適切な対応や助言ができるよう、いい距離感を保つことが重要です。
モチベーションレベルB /C

コーチの表情や言葉にとても敏感です。失敗への恐怖心から、萎縮してしまうことが多く、負の連鎖が続きます。この状態は長い時間放置すべきではないです。
コーチは、選手が自分の内面と向き合うための安心感を与えるために、言葉を選び、行動や結果を認めてあげることが大切です。
参考文献「コーチングの基本」”マネジメントとコーチング”
コーチングの基本 著:コーチ・エイ