新たな運営方式の地区部活と、その先にあるアカデミーには多くの可能性があります。
現行の学校部活動(以下、学校部活)の運営を生徒に任せ、新しい仕組みに変えたのが地区部活動です。そしてその先に地区アカデミーを設置します。この地区アカデミーが部活動の地域移行先です。
そして前回の記事にもあるBDKのみなさんが活躍する新しい場所が地区アカデミーです。

地区アカデミーの仕組み
地区部活と関連する地区アカデミーへ、より高いレベルを目指す生徒、専門的指導を望む生徒を集めます。
内容はとてもシンプル。地区部活から集められた生徒でチームをつくり、練習や試合を行います。
地区アカデミー3つの条件
- 生徒が行きたい地区アカデミーを選ぶ
- ライセンス制度を設ける
- 会費制

権利と質を担保する
生徒数で優位な地区アカデミー1と4でも、指導の内容によっては生徒が他へ移動することが考えられます。逆に生徒数が少なくても指導の質が高ければ、地区アカデミー2と3へ生徒が移動してくることもあるでしょう。
なので今の学校部活での、生徒管理の手法が地区アカデミーでは通用しなくなる可能性があります。
この地区アカデミーは指導の質が評価される仕組みです。なので地区アカデミーの運営はBDKの指導力が重要な鍵になるでしょう。
ライセンス制度

ライセンス制度は地区アカデミーに必須と考えています。理由はこのライセンス制度を制定し、ハラスメントや至上主義の抑制に繋げるためです。
生徒を正しく導いていくために、このライセンス制度の制定は、非常に重要な役割を果たします。また学校部活との連携においても、欠かせない制度だと考えます。
これは一般的な指導ライセンスではなく、自治体が発行するローカルライセンスです。ライセンスは自治体の教育理念に沿う条文で作成され、この内容に賛同した指導者のみに付与されます。
サイレントリーグの導入
週末も生徒主導の活動環境があれば「自分たちの部活動」の在り方を、より深く考えるようになるかもしれません。そこでサイレントリーグの導入を提案します。
サイレントリーグは指導者がベンチにいない、選手だけのサッカー大会です。そして、あらゆるスポーツへ導入可能なのがサイレントリーグです。

学校行事予定に従い、年間の予定を事前に組んでおけば大丈夫です。あとは教員と保護者が生徒の活動を支援するだけです。
このサイレントリーグには、周囲の人を惹きつける魅力があります。週末を生徒の力で活気付かせることで、地域社会の教育に対する意識が変わっていくかもしれません。
サイレントリーグ(例)
【第1節:E中学校グラウンド】
A中学校 vs B中学校 / C中学校 vs D中学校
D中学校:会場運営
【第1節:N中学校グラウンド】
J中学校 vs K中学校 / L中学校 vs M中学校
N中学校:会場運営
【第2節:A中学校グラウンド】
B中学校 vs D中学校 / C中学校 vs E中学校
A中学校:会場運営
【第2節:J中学校グラウンド】
K中学校 vs M中学校 / L中学校 vs N中学校
J中学校:会場運営

週間スケジュール
地区部活と地区アカデミー、そしてサイレントリーグを組み合わせることで、学校スケジュールに沿った子どもたちの健全な青少年育成環境が整います。
曜日 | 活動内容 |
---|---|
月曜日 | |
火曜日 | アカデミー |
水曜日 | 部活動 |
木曜日 | |
金曜日 | 部活動 |
土曜日 | サイレントリーグ(2回/月) |
日曜日 | アカデミー(2回/月) |
部活動地域移行マップ

政治的なことは僕にはよくわかりません。決められた順序に従って、いろんなことが今後も進んでいくのだと思います。だけどこの部活動地域移行の本当の原動力は、きっと生徒と保護者の側にあると思います。だから生徒や保護者の心のうちへ、少しだけ意識を傾け考えを深めることも大切ではないでしょうか。
3回にわたって部活動地域移行について独自の考えをお伝えしました。今の部活動を外から見て素直に響いたことをもとに書いた記事です。日本のスポーツの下支えを担ってきた部活動が、より良いかたちで地域移行されていくことを心から願っています。

部活動を存続させるためのアイデア【部活動地域移行】
前回に続いて部活動地域移行についての記事です。今回は存続させるためのアイデアと、今の部活動の弱点について書きます。 部活動を残す選択 現状のままでは部活動の存続は無理と断定できそうです。そんな世間の流れに抗うように、部活動を存続させるための3つのアイデアを考えました。そして...